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おくがわ整体院の施術の秘密に迫る②関節へのアプローチ
前回お話しましたように
おくがわ整体院の施術は、おおまか以下の構成要素で出来ています。
 
〇関節モビライゼーション
〇筋膜リリース
〇ボディーワーク
〇PNF
 
前回はこの中から「関節モビライゼーション」について少し説明いたしました。
 
https://www.okugawaseitai.com/blog_detail?actual_object_id=458
 
 
《関節に対する施術②》
 
前回のコラムで関節に対する施術は「関節包内運動」にアプローチするという話をしました。
 
厳密では無いのですが、凄い分かりやすく言うと「関節のつまり、引っかかり」を取るのが「関節包内運動」を改善するという事です。 
 
例えば、関節が詰まっている、引っかかっているのに、ストレッチや筋膜リリースで筋肉を緩めても、根っこにある関節の引っ掛かりを取り除かなければ身体は動きません。
 
前回はイメージとして、扇の要を提示しましたが…
 
これまた厳密では無いですがプラモデルの関節の部分に接着剤が掛かってしまって、固まったら動かせなくなりますよね?
 
そんな感じで、関節自体が引っ掛かりやつまりがあると、筋肉がいくら柔らかくとも身体は動きません。
 
究極的に言うと、身体を動かすと言う事は「関節を動かす」と言う事ですからね。
 
《柔軟性の要素は筋肉だけじゃない、筋膜、関節、靭帯、皮膚も関係ある》
 
皆さんは身体が柔らかいと言うと「筋肉が柔らかい」と思いがちですが、実際には筋肉自体は「固くならない組織」と近年の解剖学の世界では言われています。
 
というのも、筋線維の中に難くなる素材が無いからです。
また、筋線維自体は水分に富んでいるので固くなる事は無いと言われています。
 
実際には筋肉全体で見ると「筋膜(筋筋膜)」のコラーゲンが可動域制限の原因になります。(これは次回以降で説明します)
 
ちなみに、筋線維、筋膜以外の関節可動域制限の要因としては
✅関節(関節包、靭帯)
✅腱
✅皮膚
 
などが挙げられます。
下の写真は「関節可動域制限第二版」という、関節可動域制限の専門書籍の「組織抵抗寄与率」の表です。
 
多分ラットの足か?なにか?で実験してると思いますが…

人間ではないですが同じ哺乳類です、組織をはぎ取っていき、関節の抵抗を調べるというのを繰り返して、その組織が関節可動域制限の要因として大きいのか?調べた実験の結果です。
  
この「骨格筋」は「筋線維」「筋膜(筋筋膜)」両方の合計になります。
文献や論文により多少の差は有りますが、大体この表と同じくなります。
 
分かりやすく説明しますと、筋肉全体が関節可動域制限の43%の原因になっています。
関節包(靭帯含む)はなんと30%も制限因子となっています。
 
皆さんにとって一番意外なのは「皮膚」でしょうかね?実は皮膚は関節可動域制限の因子として意外に大きく、また改善しにくい組織として有名です。
 
手術後に皮膚のつっぱりで身体が上手く動かない経験をした事ある方なら分かるとおもいます。
 
皆さんも冬場に身体が動きにくいのを経験すると思いますが、あれは筋肉の温度が下がっている事と、皮膚が乾燥しているのも大きく関係しています。
 
筋肉だけが柔らかくなれば、関節が動くようになると思っている方には衝撃でしたかね?
 
このように実は関節可動域制限に大きく関係しているのが関節包です。
 
皆さんは身体が固い、柔軟性が無い人を見た時に直感的に「筋肉固いのかな?」と思うでしょうが、専門家でも少し知識がある人は「関節に引っ掛かりがあるのかな?」「関節包が固いのかな?」という事も想像します。
 
私の場合は知識はもちろんですが、20年近く関節の施術をしてきたので、最早身体を触らずとも関節包内運動が正しく出ているか?関節包が柔軟か?なんとなく分かる領域に達しています。
 
なので、見ただけで「筋肉が固くて動けない人」「関節が固くて動けない人」「身体の使い方が悪くて動けない人」か?大体分かってしまいます。
 
これは関節施術をずっとやっている事と、幼い頃に絵画をしていた経験が影響していると思います。
 
海外の徒手療法の学校の中には、骨格模型や筋肉の解剖の図をスケッチする事で視覚的イメージ力を養うカリキュラムを採用している学校もありますが、私は絵画をしていたので図らずとも視覚映像的なイメージ力が養われていたのだと思います。
 
《関節は柔らかすぎても良くない》
 
では、関節包は柔らかければ柔らかい程によいのでしょうか?
 
それは、そうとも限らないというのが正解です。
 
関節包が柔らかすぎる人は整形外科の世界では「関節弛緩性」があると言って、脱臼やぎっくり腰のリスクが高いと言われています。
 
「えぇ!?嘘!?柔らかければ良いと思っていた」と言う方が殆どでしょうね。
 
それは全く違います。
 
マジで!マジで!ネットの情報はいい加減なので、繰り返しメルマガで発信してますが「参考程度」にしてください。
 
以下に関節が柔らかすぎるか?つまり関節弛緩性を調べる「関節弛緩性テスト」の項目を挙げます。
 
これを見たら、皆さんが「出来た方が良い」と思っていた動きのいくつかが「出来たら良くない」動きだったと理解出来るでしょう。
 
  
この7つの動きの4つ以上が出来たら「関節弛緩性」があるとみなされます。
 
皆さまが驚かれると想像するのが、⑤ですよね(笑)
むしろ出来た方が良いと言ってる専門家もたくさんいますよね。
 
お客様でも「手を後ろで組めるようになりたい」と言う方が結構いますが、別に組めなくて良いのですよ。
 
本当にネットは適当なんです。
 
前述したように関節弛緩性がありますと、ぎっくり腰や脱臼のリスクが高くなります。
私は大体見ただけで分かりますが、それでも厳密に関節の弛緩性を見る時には「関節包内運動」でも関節のエンドフィールでの「関節包のたわみ」と言うのを見ます。
 
簡単に言うと骨を繋いでいる膜の弾力なんですけどね。
そう言うのを見ます、これは結構技術が要る事ですので知識だけでは出来ません。
 
 
《最後に…》
 
私は多分トレーナーの中でも身体や運動の知識に詳しい方ですが、世間のトレーナーでも今日書いたような事は真面目に勉強している子なら知ってると思います。
 
今の専門学校のレベルは数年前より数段上がっていますからね。
 
私の仕事仲間の近藤先生や明日栄養のインスタライブする藤田先生も、専門学校で講師の仕事などしていますが、二人ともとても勉強をしています。
 
近藤先生は(株)ウィングゲートの外部取締役として、パーソナルトレーナー育成事業の運営をしているので、近藤先生の知識、技術を知っている私としては、今の専門学校のレベルやパーソナルトレーナーのレベルも数年前より飛躍的に上がっているだろうことが想像出来ます。
 
ネットの情報もですが、トレーナーや徒手療法家も「玉石混交」です。
残念ですが、有名だから実力があるという感じではありません。
 
また、なになにの資格があるから実力があるという訳でもありません。
 
そんな中で、時々どういうお店に行けば良いか?どんな人に教われば良いか?分かりにくいという意見を聞きます。
 
ぶっちゃけると、おくがわ整体院で私に聞いてくれたので良いと本心は思っていますが(笑)だって、自分が一番真剣に仕事に取り組んでいると思ってますから…
 
それは置いといて、実際にはそうはいきませんので(例えば、youtubeで間違った情報を学ぶのを私が止める事は出来ません)
 
私は極論ですが、皆さん自身が変な専門家より知識を身に付けたら良い、身体の感覚が鋭くなれば良い、つまり健康リテラシーを高めれば解決すると思っています。
 
登山をした事無い人は、富士山もチョモランマもどちらも「高い山」かも知れませんが、実際に登山をしている人にはどちらがより高いか?どちらを上るのがより過酷か?分かると思います。
 
皆さんがある程度の知識や身体感覚を身に付けたら、ネットにいるデマを言ってる一部の専門家を暴けるようになると期待しています。
 
逆にそれ以外に本当に見分ける方法なんて無いと思っています。
 
凄い例えが不適切かも知れませんが…2年ほど前にネット上では天才登山家のように持て囃されていたKという人がいましたが、チョモランマに挑んで滑落死してしまいました。
 
ネット上の一般の人達はKの死を嘆いていましたが、実際に登山をしている人達はみんなKが嘘や大した事無い功績を大袈裟に喧伝して地位を築いていた事
 
更には滑落死の原因はKの実力では100%登れないルートを選んだ事が原因だと知っていたので、誰もKの死をとりたてて取り上げませんでした。
 
そういう感じで、一般の人がリテラシーを高める事が唯一の根本改善かと思っています。
なので、私はメルマガもですが、インスタライブやイベントなどを通して、皆さんに「本質的な知識、技術」を伝えていく事が自分のやるべき事と思っています。
 
最後はちょっと暗い話になって(?)申し訳ございませんでした!
 
次回は筋膜へのアプローチを取り上げる予定です!引き続きよろしくお願い致します。
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