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おくがわ整体院の施術の秘密に迫る①
当院は整体院という名称ですが、どちらかと言うと「理学療法士」さんのリハビリに近い事をしています。
 
理学療法士は「Physical Therapist」なので通称(PT)と呼ばれる事もありますし、PTの方が書くのが楽なので、以後PTと書きますが
 
おくがわ整体院の施術内容は一般的な慰安目的の整体院とは異なって、病院でもPTが行う整形外科のリハビリテーションに近いです。
 
おくがわ整体院の施術は、おおまか以下の構成要素で出来ています。
 
〇関節モビライゼーション
〇筋膜リリース
〇ボディーワーク
〇PNF
 
今回はこの中から「関節モビライゼーション」について少し説明いたします。
 
《関節モビライゼーション》
 
関節に対する理学療法には、大きく分けて「関節モビライゼーション」と「関節マニュピレーション」があります。
 
皆さんがよくご存じであります、関節をボキっと鳴らすテクニックは「関節マニュピレーション」です。
 
代表的なのは「カイロプラクティック」ですが「オステオパシー」でも、一部関節マニュピレーションを行います。
 
一方でボキっとならさない、ソフトなテクニックを「関節モビライゼーション」と呼びます。
 
この関節モビライゼーション、関節マニュピレーションどちらも、適当に骨を動かしている訳じゃ無いのですね。
 
「関節運動学」という学問の理論を元に関節を動かしています。
 
「関節運動学」とは何か?
 
皆さんが関節の動きを表す時には「屈曲」「伸展」「外転、内転」「外旋、内旋」などの見た目の骨の動きを言葉で表記すると思います。
 
それは「骨運動学」と言います。
 
一方で「関節運動学」とは、見た目では分からない骨の動きを表記します。
 
『どういうこと?』と思われますよね?
 
実は関節運動学は「関節包内運動」と言いまして、骨と骨を繋いでいる膜である「関節包」の中の、外から見ても分からない骨の動きを表記する学問なんです。
 
  
    yoji1975 
なんで、こういう学問が必要なのか?と言いますと
 
例えば…
 
前々回のメルマガで取り上げた「足首(距腿関節)の背屈」という動きは、骨運動学
 
すなわち一般的な言葉で表現すると、足関節の背屈という事になりますが
 
しかし、足関節の背屈の際に起こる関節包内運動を関節運動学で表すと「距骨が脛骨関節面に対して前方に転がって、後方に滑る」と表現します。
 
  
 
なぜ?このように表すか?と言うと、関節は関節包内運動の「滑る」動きに制限が出やすいのです。
 
距腿関節も背屈時に距骨という骨がアキレス腱の方(後方)に滑らないと曲がらない、もしくは距骨と脛骨の間で組織を挟んでしまって脛に「つまり感」が出てしまいます。
 
脛のつまり感を感じている人は多いので「ハッ」と思った人もいるんじゃないでしょうか?
 
一般の人は「筋肉が柔らかいと関節は曲がる、筋肉が固いと曲がらない」と想像すると思いますが、実際には筋肉だけでなく関節包内運動に制限が出て曲がらない、固いと言う人が多いのです。
 
扇の要(かなめ)をイメージすると分かりやすいです。
  
要とは中心の留め具の事ですが、この要が「さび」てしまったら、扇全体が動きにくくなるのは分かりますでしょうか?
 
逆に要がスムーズに動くと扇全体が開いたり、閉じたりしやすいのはイメージ出来ますよね?
 
このように皮膚や筋肉より、中心に近い「関節」は動きを制限しやすいのです。
要が全く動かないなら、いくら力を入れても扇は開きませんよね?



上のイラストの膝関節が扇の要で、ふくらはぎや太ももの筋肉が扇の羽の部分と思ってください。
要が動かなければ、いくら筋肉が柔らかくても膝は動きにくいのはイメージ的に理解しやすいのではないでしょうか?

骨折をしてギプス固定をした事ある人なら、ギプスを外した後に酷い可動域制限が起こるのを経験した事あると思います。
あれは関節包が短縮してしまって、正常な関節包内運動が出ない為に筋肉は柔らかくとも関節可動域に制限が出ているのです。

そのような状態を関節拘縮というのですが、関節拘縮の際にも関節モビライゼーションは活躍します。

拘縮までいかずとも、関節包内運動が悪くなっている人は結構います。
また関節によっては関節包内運動に制限の出やすい関節もあります。
 
特に足首の距腿関節などは、近年では距骨の後方滑りで制限されているケースが多いと考えられています。
 
このようなケースでは筋肉をいくら緩めても、要が固くなった扇のように可動域が広がる事は無いのです。
 
奥川は関節モビライゼーションの「専門家向けの技術セミナー」の講師を6年以上行っていたので、関節モビライゼーション、関節運動学のスペシャリストと言っても過言では無いのです。
 
皆さんは気持ち良いマッサージを受けている感覚だと思いますが、実際には全身の関節を調整しています。
 
筋肉を緩めるだけでは改善しない可動域制限をいつまでもマッサージしても直りませんよね?

そんな取りこぼしが無いように、関節へのアプローチを施術内容に含める事はとても大切です!
 
   
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