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世間の歩行の常識、実は非常識?
こんにちは。

今回のコラムは…

 

歩行の常識はなぜズレるのか?──多くの人が誤解している「足の使い方」の真実


前回はやや辛辣にですが、業界の「事実」をお話しました。
前回のコラム


今回のコラムの結論から申し上げますと…

歩行に関して、または身体の事に関して大まか全てにおいて

 

皆さんは「ネットの健康情報に踊らされています」

 

「私はそんな事無い」と言う人も…結構踊らされています。

 

今回のコラムを読んでもらえば、それが大袈裟な表現ではない事が理解してもらえると思います。

また、当然ですが…私はそのような状況を微力ながらも改善したいと思っています。


■「歩行」は簡単そうで実は難しい専門分野

「歩行」というと簡単な運動なので、トレーナーなど運動を教える人なら誰でも理解出来ている、基本の分野と思っている方もいらっしゃるでしょうが?

実際にはとても難しい分野になります。


こと「正しい歩き方」を学問する「歩行分析」となると、専門的に教育機関で学ぶのは恐らく理学療法士、作業療法士ぐらいです。

なので、ネットで紹介されている「歩行」に関する専門家の説明でも、根拠のあるものから、全くの私見…


いわゆる「それってあなたの感想ですよね?」レベルのものも多いのです。



一般の人の中に専門家が言ってるのだからと「科学的な事実」と思い、そのような私見を鵜呑みにしてしまっているケースがあります。

 

と言う事で、ここで一般的に言われる歩行の常識と実際の歩行分析の「ズレ」がどれくらいあるのか?をいくつか例を出して説明します。


前回は「アーチはずっと高い状態が良い」という誤解を説明しましたが、他にもたくさん誤解が存在します。


まず、よくある誤解を下に列挙します。


■歩行に関するよくある誤解

・地面は母指球で蹴るのが正しい歩き方
・足を高く上げるには腸腰筋が重要
・足裏のアーチは筋力で保たれている
・足裏アーチのトレーニングは「タオルギャザー」が有効


■誤解①:地面を母指球で蹴るのが正しい?

これは間違いではないけど、正解では無いです。
正しくは歩行時に地面を蹴る際には実際には小指側のアーチで強く蹴ります。


その後に進行方向が「真っすぐ」ならば母指球に体重移動すると言う事です。

これは縦アーチが小指側の外側縦アーチが骨性支持が強く、内側縦アーチは骨性支持が弱く、地面を蹴る時は外側縦アーチを使うからです。

 

シンプルに皆さんでも確認する方法がありますよ。
真っすぐでは無く、曲がって歩いてみてください。


左に曲がる時は左足は母指球で蹴る事出来ませんよね?

進行方向によって床反力作用点が母指球に移動するか?しないか?が決まるだけで、まっすぐ進む時は母指球に移動すると言うだけです。

 

しかし、地面を強く蹴るのはどう歩こうと「小指球側のアーチ」です。

 

ちなみにずっと母指球に荷重をして歩くと内側縦アーチは弱いので簡単に潰れますから、過回内や偏平足、外反母趾の原因になりかねません。

 

参考文献:カパンディの関節生理学…その他多数

 

より理解を深めたい方に、この件についてxAI「Grok」に質問した回答です。
https://x.com/i/grok/share/Lw2RTiXRUvJUabgCpgbVTNOsD


■誤解②:足を上げるには腸腰筋が重要?

腸腰筋などの筋力はもちろん大切ですが、土台は「重心移動」や「骨運動連鎖」で無意識に行われているという考えが近年有力になってきています。

「両棲生物反射」という、乳児期の「腹ばい動作」で顕著に表れる姿勢反射があるのですが、それが大人になっても足を上げる動きを無意識下でサポートしていると考えられています。


英語ですがGoogle翻訳で読んでみてください、両棲生物反射の解説文

https://moveplaythrive.com/resources/primitive-and-postural-reflexes/amphibian-reflex

 

更には「骨運動連鎖」と言って、筋力が関係しない骨構造による連鎖で勝手に脚が挙がると考えられています。

   

但しこの骨運動連鎖は「正しい姿勢」であり、かつ歩行時に背骨を「鉛直」に伸ばす体幹の能力が無いと起こりません。

 

つまり「脳みそ」「姿勢」「体幹」がしっかりしていれば、人間はある程度は勝手に歩く時に脚が挙がるように出来てます。

 

それはそうですよね?アフリカの原住民で「腸腰筋」を意識的に鍛えてる人いないと思いますよ?

でも、アフリカの原住民は未だに一日100km歩いて水汲みに行く部族もたくさんいます。

 

人間の歩行は複雑なので、そもそも他の動物の歩行に比べて大脳皮質(新しい脳)に負荷の大きいです。

古い脳が司る「反射・反応」であったり、骨構造による連鎖など無意識で制御されてる要素が多い方が、新しい脳の負担が減るので理にかなっています。

 

より理解を深めたい方に、この件についてxAI「Grok」に質問した回答です。
https://x.com/i/grok/share/TvadzLHvIKo71iCPTZmPsf9ia


■誤解③:足裏のアーチは筋力で保たれる?

足裏のアーチを支えているのは足裏の筋力であり、足内在筋を鍛えないといけないと思っている方が結構いらっしゃいます。

 

  


ちなみに足内在筋を知らない人に説明すると…足裏の中で筋肉の起始、停止が存在するのが「足内在筋」

脛の骨から足裏に筋肉が伸びているのが「足外在筋」です。


一般的に足内在筋がアーチを保つのに重要で、足外在筋の働きが優位になると逆にアーチを下げたり「ハンマートゥー」などの

足指の障害の原因になると考えられています。

しかし、基本的には足裏のアーチは「骨」「靭帯」などの「構造」で支えられていて、足内在筋のような筋力は補助的な役割です。

 

皆さんでも冷静に考えたら分かると思いますよ?
だって、足内在筋みたいな小さな筋肉だけで50~70kgもある身体をどうやって支えるんですかね?

 

では、どうやってアーチ構造は身体を支えているのか?
まずはアーチはカメラなどで使用する「三脚」と同じように三点支持の骨構造により安定しています。

    

具体的には三点は「母指球」「小指球」「踵」の三点です。
この三点のバランスでアーチは保たれています。

 

イメージしやすいのは「カメラの三脚の脚の長さが不均等」なケースを考えてください、上から荷重をすると三脚は容易に倒れますよね。

逆に「カメラの三脚の脚の長さが均等」なケースを考えてください。


上から荷重が加われば加わる程に三脚が安定するのが分かると思います。

つまり、アーチ構造を保つうえでまず重要なのは「骨配列(アライメント)」なのです。
その次が靭帯になりますね。

 

ちなみに「姿勢」によって「運動連鎖」が起きてもアーチの高さは変化します。


これは皆さんも簡単に確かめられます。

立った状態でアーチの高さを感じたら、次は骨盤を「前後に傾ける」動作を繰り返してみて下さい。

 

前後傾に合わせて、脚が内外に回旋して、次いでアーチの高さも変化します。

これは「下肢回旋運動連鎖」と言います。

  

 

言いたい事を簡単に言ってしまうと…姿勢でアーチの高さの大半は決まります。

それを足裏の小さな筋肉の筋力だけでどうやってコントロールするのか?

 

でも、あたかも足裏の筋肉だけでアーチを保ってるような話をしている専門家の方の記事や動画が多いですよね?

だから、そう信じ込んでしまっても仕方がないと思います。


より理解を深めたい方に、この件についてxAI「Grok」に質問した回答です。

https://x.com/i/grok/share/GVJhulpQi3DsqE6j49yESyyN0


■誤解④:タオルギャザーはアーチに有効?

アーチを保つ筋トレで誰もが知っている「タオルギャザー」


タオルギャザーは「足内在筋」ではなく「足外在筋」が働きやすいので、今は足に詳しい人ならば実施を推奨しないです。


言ってしまうと…逆にアーチが下がる原因にもなりかねないと言う事です。

 

タオルギャザーが内在筋でなく、外在筋を使い、アーチ低下の可能性があると報告した論文 https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/38/6/38_444/_pdf/-char/en

 

厳密にはタオルギャザーも実施方法によっては(足関節底屈させる、足指第二関節を曲げない)足内在筋に効果が出る事もありますが…

 

そんな面倒くさい事をしないでも「ショートフットエクササイズ」という簡単なエクササイズの方が効果がある事が様々な研究から実証されています。

 

タオルギャザーの効果への疑問とショートフットエクササイズの有効性をまとめた論文

https://www.rinspo.jp/journal/2020/files/31-3/369-373.pdf

 

より詳しい理解の為に、この件についてxAI「Grok」に質問した回答です。
https://x.com/i/grok/share/qrfcKIWKdLzgl4aZSHwY2pSXq


■世間の“身体の常識”は、結構ズレている

どうでしょうか?恐ろしい位に世間の理解と実際の運動科学の間に「ズレ」があったのではないでしょうか?

 

私が「ネットの情報は参考程度にした方が良い」が大袈裟じゃなくて、皆さまへの真摯なアドバイスだと理解していただけると幸いです。

 

このような誤解を一つ一つ解消するのは、正直言うと「困難」です。

では、私はどうしたら良いと考えているのか?


■「身体を学ぶこと」は良いが、ネットで学ぶのはNG

では、一般の人が身体についての知識を学ぶ事が「無駄」だと言ってるか?というとそれは微妙に違います。

 

身体の知識を学ぶにしても「ネット」は止めた方が良いと思っています。

少なくともネットの知識は「鵜吞み」にしない方が賢明です。


それには理由があります…

ネットは基本的に「売りたい商品」があって、それを宣伝する為の情報で溢れています。

その宣伝手法として近年主流なのが「アテンションビジネス」です。

 

これは「とにかく注目を集めて、ボタンクリックさせる情報が価値がある」というビジネススタイルですから、そもそも奇抜であったり、煽情的な情報しか流れません。


健康食品で言うと「バナナが身体に良い」と言うのは嘘ではないですが、それだけでは健康は保てませんよね。

でも、ネットやテレビでバナナが身体に良いと言えば、猫も杓子もバナナをスーパーに買いに行って品切れになった事ありましたよね?


よくよく考えたら、バナナなんて今までも普通に食べてたのに…不思議ですよね?

それに近い情報がSNSのショート動画などで大量に溢れています。

 

■学ぶべきは“基礎”──重心・体幹・姿勢・バランス

私が推奨するのはネット情報のような「売りたい商品」の宣伝情報ではなく、きちんと学問的な情報です。

 

しかも、身体に関する「基礎」を皆さんは勉強した方が良いと思います。

さっきの健康食品で言うと、バナナは身体に良いのは嘘ではないですが

時間を取って情報を得るならば、もっと基礎になる事…「三大栄養素」「ビタミン、ミネラル」などの知識を学んだ方が良いです。



運動の「基礎」とはなにか?それは「パフォーマンスピラミッド」の基礎と同じです。
「重心」「体幹」「バランス」「姿勢」などです。

 

先程の「歩行に関するよくある誤解」も結局は全て「姿勢」「重心移動」「体幹」が備わっていたら、深刻に考える必要もない問題だと気付きましたでしょうか?

 

「母指球蹴り出し」「足を上げる」のも主に背骨の使い方と重心移動の結果です。
「アーチ高」はアライメントなどの構造が決定する要素が大きいです。

 

つまり、みなさんは「優先して知るべき基礎知識」を与えられず「後で知っても良い応用知識」を与えられている訳です。

 

良い悪いと言うよりは、優先順位の問題です。

基礎を理解してない人間に応用を教えてどうなるというのでしょうか?

 

■多くの人は「嘘ではないけど本当ではない情報」に踊らされている

ハッキリ言ってしまうと…
世間の多くは商品売りたい人の「嘘じゃないけど、本当とは言えない」
そんな情報に踊らされています。


もしくはそこまで悪質でなくとも、専門家の「私見」を科学的な知見と思いこんでいます。

 

このような状況に私はいち専門家として、一般の方は専門家の被害者であって大変申し訳ないと思っています。

 

そういった玉石混交となった世間の健康情報を見抜くには「確かな身体感覚」「基礎的な知識」が無いと難しいです。

 

前回お話しましたアスリートは自分の身体感覚を信じる事で「踏み込みでアーチが下がる事が通常」だと言う事に気付きました。

 

そのような身体感覚は一朝一夕では身に付きません。


■では、皆さんはどうすれば良いのか?

思ったより長くなったので、続きは次回へ。

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